教育の歴史と義務化の現状
江戸時代にできた寺子屋が、大衆向けの教育の場として最も古いものと考えられていますが、人類が文字を伝承する上で必ずしも行われているということを考慮すると、その歴史はとても古く、さかのぼることが難しいものであることがわかります。さて、現代の日本社会では教育を受けることは国民の権利であり、義務となっています。もし受けなければ、国民の知識レベルに格差が生まれ、国家の意思統一が難しくなってしまいます。また、そこから生まれた教養の差は貧富の格差を生み、しいては国民のモラルの低下と治安の悪化を招く恐れがあります。
一方、発展途上国では、今でも学校に通う為に何時間もかけて危険な通学路を通ってきたり、家庭の手伝いをするために学校へ通わせてもらえなくなったりする子供たちがたくさんいます。国民のほぼ全ての子供が学校へ通える、安全で平和な国は世界中のほんの一握りで、その中で不自由なく学校へ通えている日本の子供たちはとても幸福といえます。それなのに、教育は義務になると途端に魅力を失います。なぜなら、日本の子供たちの多くは、学校からの宿題を嫌々していたり、嫌いな教科が他国と比べて多いといいます。それとも、どちらも非日常を求めている人間という生き物の無い物ねだりなのでしょうか。